その人に会うとトキメク。
その人の事を考えるとドキドキする。
それは恋だ。
道端に咲く小さなツボミみたいに、恋は可愛いものだ。
でも、結婚してたら?
ひなたではなく、日陰でヒッソリと咲いたら、それは、やっぱり、ヒッソリと引っこ抜かなくてはならない。
うっかり大輪の華になったら、それはもう後戻りは出来ないから。
昔、いや、今も時々、知らない町に一人で住んでみたくなる衝動が、ある。
その人が、連れてってくれないかなって少しだけ現実逃避したいだけ、きっと。
そう言いながら、会うたびに生える、小さなツボミを引っこ抜く。
ひなたには、私を包む懐かしい、見馴れた華が微笑むから。
私は振り向いて、今日もひなたぼっこするの。
此処が望んだ我が居場所。
それとも、誰かを待ってる?
ひなたぼっこの夢の中、本当の答えはドコにあるのか行方不明。
でも居心地の良い場所で猫は眠るよ、いつまでも。