猫と船出
毛むくじゃらの、そいつは朝になると決まってズシリと子供の頃と変わらず私の腹の上に乗る。
昔は、あんなに軽かったのに。
拾った二匹のきみたちは、銀色の綺麗な毛から脱皮して、どす黒い色に。
わぉ!
ちょっとビックリしたけれど色なんて関係ないさ。
朝は。決まりきった朝は、変わる。
大切な人の為に。
私の為に。
朝は。決まりきった朝は。
船出の日。
沢山の地図。
羅針盤と揺れる船室。
一段登っては、自分の実力のなさを知るのが怖くて降りていた。
ながいながい階段の前で、しなければいけない事に目を向けて、心から、やりたいことから逃げていた。
年をとっても、諦めなければ出来るさと。
でも誰より早く、それを見たい。
証明したい。誰が見ていなくとも。
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